楽曲と作品
当会の演奏楽曲は、いずれも私たちのふるさとを描くオリジナル作品です。
創設初期から受け継いだ作品と、2005年より、宮城在住の作家・作曲家佐藤三昭氏へ委嘱し、
創作してきた作品がございます。
組曲『紫の花の咲きたる』 作曲:佐藤三昭(*3D-FACTORY) -2014依嘱曲
第1楽章 われゆく先に~こころざし抱きて~
第2楽章 紫の花の咲きたる~吾が胸に~
第3楽章 あなたが生きる価値~心をこめて・ジニーより~
安政・明治・大正・昭和…母国が軋み、あらゆる枠組みが変わっていった激動の頃。幕末の高知に育ち、イギリスに留学、後に時代の農工業を牽引、北の地で生涯を終えた異才のサムライ、「川田龍吉男爵」。造船業に尽力するかたわら、彼は農地を耕しつつけ、その生涯の後半は、とうとう農業に捧げられた。彼が求めたのは、戦で勝ち取る豊かさではなく、大地に花が咲き、実を結ぶ豊かさではなかったか…。その願いは、七飯の大地に、今の故郷の光景に続く、むらさき色のじゃがいもの花を咲かせた。私たちの継承曲として、また、いつかこの土地で楽曲とその精神が受け継がれることを願い、作曲家兼和太鼓プロデューサでもある佐藤三昭氏(3D-FACTORY代表)に作曲を依頼した。
【大沼湖上太鼓】(Onumakojo) 作曲:中谷俊博
名峰駒ヶ岳、流山、それを包む大沼の物語。かつて駒ヶ岳は、この大地と空と多くの命を、灰色の熱にのみこんでいった。今その懐に広がるのは、小魚が群れ、水鳥が眠り、木々がきらめく風景、音。その命のめぐりを讃えて。
【横津連山太鼓】(Yokotsurenzan) 作曲:中谷俊博
ななえ・ヌアンナイ(川のある場所)。この故郷は、横津岳の豊かな伏流水によって育まれたもの。雪解けの時、鹿の精霊が水面に舞い、今年も迷いなくここへ駆け下り、恵みをもたらしてくれるよう…畏敬の念、そして祈りと願いをこめて。
【ひびけ交流太鼓】(Koryudaiko) 作曲:中谷俊博
音の輪が広がり、心の輪も溶け合っていくことを願って。子どものための演奏曲。
【○‐えん‐】(enn) 作曲:佐藤三昭 -2006
みちのく宮城の和太鼓作曲家、佐藤三昭氏による。宮城を拠点に活動するM's Japan Orchestraとの合同曲として、2006年コンサートツアーにて合同演奏初演を行った。私たちを結びつけるあらゆる「えん」そのものを祝福する曲。
【九月十二日】(9・12) 作曲:高橋理沙 -2011 企画舞台2012に寄せて
明治43年9月、石川啄木は大火に見舞われた函館を去る。しかし後に、啄木は書いている。「よしよし、おれは死ぬときは函館へ行つて死ぬ、その時斯う思つたよ」…。胸に消えない故郷のために。篠笛による演奏曲。
【三等室の夢】(San-Toushitsu no Yume) 作曲:高橋理沙 -2013 企画舞台2013に寄せて
≪過去の演奏曲≫ 以下は、過去に開催していた定期演奏会で活躍した曲たちです。
【雷神】(Raijin)作曲:角谷茂幸
遠くで轟く声…黒い雲より金色の手。私たちの力を超える、自然をつかさどる存在を思う。
【花いくさ】(Hanaikusa) 作曲:角谷茂幸 編曲:男爵太鼓
「いくさ」:的に向けて矢を射ること。 大地という的を射貫く花の一生。そして私たちの一生。
【疾風】(Hayate) 作曲:角谷茂幸
物も、香も、音すらさらって、すぎていくかぜ。そのなかに、渦巻いているものはなにか。目をこらせば…
【悠想】(Yuso) 作曲:鎌田正美
【花鼓】(Hanatsuzumi) 作曲:角谷茂幸
花がさきこぼれるように、みんなの笑顔がさきこぼれるように…。 桶太鼓による演奏曲。
【火影】(Hokage) 作曲:高橋健太朗
三人の奏者による。揺れる火影に、浮かびあがる想い。
【火群重】(Homuragasane) 作曲:高橋健太朗
チャッパ、ちゃんちきの軽快な曲。
【煌】(Kira) 作曲:角谷茂幸
大太鼓ソロ曲。ひとり静かに私と向き合う時、こころの内側に見えてくる煌めき。